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写真の「表現」てば、何の話なの?の巻 素人写真論

  • しろふくろう
  • 2018年2月28日
  • 読了時間: 6分

※写真と本文は関係ありません??

              ※photo vogue  「break off」

よく、ポートレートを撮っている人たちの場合、

「この被写体さんの表現力はすごい!!」

という話をすると思います。

それは、言い換えれば

被写体さんの演技力、とか

映り込む雰囲気、表情、所作的なものがメインかと思われます。

でも

これは

「写真表現」とはちと違って

「いい写真」なのではなく

「いい被写体さん」の写真であると考えています。

いい被写体さんに出会いますと、カメラは幸せな気持ちになります。

それはとても幸運だと思います。

さて、

話を戻して、写真の表現とはなんなのか

「あれでしょ?絞りとか、シャッタースピードとか、ISOとかをいじることでしょ」

という話もあるでしょう。

個人的には

これは、「写真技術」の話だと思います。

絞りを開ければボケる、明るくなる、開けた分、同じだけ速いシャッタースピードにできる

ISOを使えば感度が変えられるから、暗いところでもSSをあげられる

とかこれは、カメラという道具にまつわる技術的な話です。

じゃあ、写真表現ってなんなのよ

フォトテクニックデジタル「キミヲ ノセテ??」

-------------------------------

写真は2次元平面、という点では「絵」と同じです。

でも、絵と違うのは、

被写体があってはじめて撮れる、という点です。

絵はイメージだけからも描くができますが、

カメラは、イメージしただけでシャッターを押しても何も写りません。

また、写真は「カメラとレンズ」という、

世界を翻訳する機械

を使います。

基本的にはカメラがないと写真は撮れません。

絵とは違う方法で、カメラやレンズは独特のやり方で世界を見ようとします。

簡単に言いますと

写真は「真実を写す」というわけではありません。

様々に変な写り方をします。

広角レンズなどを使えば、建物は歪み、倒れたような不快な写真になったり

マクロレンズを使えば、目に見えていない拡大された世界が広がります。

でも

それは表現ではなく、像の写り方、レンズの見え方ですね。

だから、

広角で切り取られた広大な自然写真は、それ自体は表現ではありません。

※撮ったという時点で表現ではありますが。

--------------

いろいろな写真をみたり、本を読んだりして

個人的な考えとして

「写真表現」とはなんなの

と考えると

それは、

枠の中に写る (もしくは写さない)要素を決定して、

技術を使って結びつけたり、切り離したりして、

主題を明確にすること

なのかなと考えます。

「主題」

というのは、写真で伝えたいこと、というか、言いたいこと、やりたいこと

です。

たとえば、

ポートレート

ということであれば、

その「人」のよさ、悪さ、美しさ、その他その人の諸々のものをどう伝えるか

の写真となりますが、

他方、

なにか、伝えたいメッセージがあるんですよ

という場合には、

ポートレートではなく、

ひとつの表現方法として写真を選択した

ということなので

被写体さんの写込みが~、というところよりも

むしろ、一枚の写真の中で

伝えたいテーマはどうやったら伝わるのか

が重要になります。

そうすると、

一番最初にお話したように、

被写体さんの表現力

だけでなく

撮る側に、きちんとした表現技術と狙い、が求められてきます。

具体的に言えば

たとえば

かさ地蔵 

のお話があったとして

おじいさんと地蔵がとても美しく撮られている写真

は、、、なんだかよくわからないです。

つまり

おじいさんと、地蔵は要素です

雪にうもれた地蔵さんにカサをかぶせてあげたら

足りなかったから自分の手ぬぐいを被せた。

そしたら

お地蔵さんたちが恩返しに来た、

というのは場面だったり、ストーリーです。

このお話で

「読み取られる主題」

人の見ていないところでの小さな善行とか親切

とか

自己犠牲をはらっての優しい心

とか

でしょう。

でも、直接

「人が見てなくても親切しなさいね」

「自己犠牲って尊いよね」

とは書いてません。

そこは

読み取るように、読む側、観る側に任されています。

写真の話に戻すと、

被写体に相当する

おじいさん

地蔵

小道具のカサと手ぬぐい

雪景色

はそれぞれ要素です

仮に

「人の見ていないところでも親切にすることは大事なんだよ!!」

「自己犠牲は尊いんだよ」

ということを言いたいなと思って

被写体として

おじいさん

地蔵

カサと手ぬぐい

雪景色

を技術でつなぎ合わせ一枚の写真とするのとおなじ表現です。

※なんか書いてたらやってみたくなってきた(笑)

結果

伝えたいなと思った主題を見ている人が感じ取る

読み取ることができるようにすることが

写真の表現

となります。

いる物いらない物はなんなのか

どのように切り取るのか

どんな動きで、どんなアングルから

どんな色合いで

どんな光で

--------------------------------

私なんかは、ここで

あれ???

と思います。

被写体さんを撮るときに

被写体さんは、自分の何を表現しようとしているのだろうか???

--------------------------

被写体さんによって、

撮ってもらいたいニーズは様々です。

〇綺麗に可愛く撮ってもらいたい

〇記念に残しておきたい

〇被写体に興味がある

〇可愛い服を着たから、髪切ったから撮って欲しい

などなど

それはどれもひとつひとつニーズです。

ある意味、表現したいことがそれだからですね。

もしプロだったら

自分のやりたいことはまた別にして

それらのニーズに対してお金を取って

叶えていくことが必要でしょう。

-----------------------

では、

素人写真としてはどうなのか。

これはもう、

自由です。

表現したいことだけする人もいていいし

撮ることが楽しいから、なんでもとっちゃうというのもありだろうし

かたや

技術の向上が楽しいからとっている人もいるでしょう。

自由です。

-------------------------

最初に戻り

写真表現とはなんなのか

主題と、写っている要素、を技術でもって結びつけて

見ている人が感じ取る、読み取ることができるようにすることが

写真の表現

としたときに、

写真という2次元のモノの中で

さて

切り取ったその要素は何を意味しているのか

その色は、必要なのか

その線は、その場所でいいのか

で、

読み取る側は読み取れたのか

--------------------------

言うまでもなく

「わあ、すてき!!  はい 次の写真は??」

という「観る側の用意」については

どの層に対してむけて撮っているのか

によって異なります。

全く写真を知らない人にもわかってほしいのであれば

簡単、極端な表現が好まれるでしょう

かたやアーティスト向けのvogueとか、

超難問のテーマ写真もあります。

これはもう、観る側の問題です。

でも、分かってほしい人に分かってもらえる、

伝わる写真をとることだって、これはもう素人写真にとっては十分に難問なのです。

      ※photo vogue 「one seed」


 
 
 

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