中一光学 85mm f2は買いか否か
- しろふくろう
- 2018年1月11日
- 読了時間: 6分
さて、
portraitという限定ですが、
中一光学の85mm f2
クリエイター
というレンズについて、
個人的な感想を、写真を含めて書きたいと思います。
※マップカメラのレビューを基本に追記しています。
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まず、 心得ておかないといけないのは 値段が非常にリーズナブルなだけあって 高級感というものは ほぼありません 表面の塗りもてかてかしてます
でも、 近年のメジャーメーカーの安価なレンズ群が プラスチックを多用し その強度や耐久性に不安を感じるのに対して このレンズは金属製でシンプルな作りをしているので、 カバンのなかにそのままいれると 他のレンズを傷つけるくらいには頑丈そうです ただし、 衝撃には強そうですが ゴムパーツなどの防滴防塵などのシールドが施されていませんので
接続部分などには不安があります。
85mmf2 という明るさにも関わらず 小さく軽くできています
ここはいいポイントです。
マニュアルなので モーター類がないのも一因でしょう
レンズキャップ リアキャップ レンズフード は全くの無地で、 テカりのあるちょっと安っぽい作りです。
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肝心の写りはどうか まず、 非球面レンズや コーティングなどはありませんから 逆光などにはそのまま反応します 単焦点ということで、 湾曲は押さえられています 不思議なことにパープルフリンジもすくないです ただ、 フレアが多い また 絞ると段以上に暗くなる感じがあり ほんとに一段かな? と見直す感じがあります それと f2 というと結構ボケるのではと思っていたのですが、 ニコン 85mmf1.8 と比較しても、 ボケは少なく
像がしっかり残ります ----------------------------
ここからが個人的な重要なポイントです。 ちまたで人気のマニュアルレンズと言えば
「味があるレンズ」
という印象です。

※写真は ニコン 35mm f1.4 今でも人気のあるマニュアルレンズです。
しかし このレンズはどちらかというと そいうい収差を排した現代的なレンズをマニュアルにした というものでしょう つまり 悪く言えばレンズ特有の 味がありません。
味というのは、悪く言えば歪みや諸収差のことですから
「写り」という意味では素直にクリアに映るということです。 価格に比してこの点は優秀だと思います。 良くできたレンズです
マニュアルレンズを使いこなせない場合の 大きな理由はおよそ2つで ピントをあわせられない か マニュアルレンズにありがちなクセ を使いこなせないことかと思います その点、 このレンズは癖がないので ちょっとしたAFレンズで撮影したのか このレンズで撮影したのかの差は ほとんどないとおもわれます 癖とか味というものが好きで マニュアルを選ぶ場合には おそらくこのレンズは適しません カメラのAFより 自分でファインダーを覗いてピントを合わせたい とか 手軽に持ち歩ける中望遠のマニュアル という位置付けなら このレンズはぴったりです あまり、 押しがないように感じるかもしれませんが よく考えればわかります このくらいシャープな写りをするレンズが もしafなら この値段ではないでしょう ニコンの 85mmf1.8 85mmf1.4 に勝るかと言われれば フリンジのなさはf1.8より優秀かもしれません f1.4にはかなわないです
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さて、
raw画像はどうなのか
ということですが、

この写真のrawはどうかというと

この並びになります。
ちなみに言うまでもありませんが
RAW画像というのは、本来画像ではないので、便宜的にjpgに現像したもの、つまりとってだしを載せています。
よく、ツイッター上で、現像大会というのを見ますが、
あれ自体はちょっと非現実的で、
raw画像は様々なパラメーターを動かしても基本的に画像は劣化しませんが、
jpgは処理をすればするほど劣化しますから、
そもそも加工すればするほど、意図しない劣化が加わり、写真の質は低下していきます。
なので、出来ることは限られていて、あまり大きな意味はないと思われます。
もしやるのであれば、
RAWそのものをダウンロードできるようにして
そのRAWデータを元に現像するようにしないと、本来の現像の技術も上がらないと思います。
もちろん言われるまでもなくご存知でやっていることとは思いますが、一応。
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さて、こう見ると、RAWはもうほぼ救いようがないんじゃないか、というような写真に見えますね。
現像の話は、また今度しますが、
わたしはそんなに現像に時間をかけませんし、詳しくありません。
とりあえず、白トビを防ぐ状態でとる、ということを気にしています。
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特に今回は、「ある光だけで撮る」
ということなので、およそ、どのくらいの写真なら現像で救えるのか
はとりながら見るようにしていました。
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事前に書いたように、
85mmf2は、絞りと感度をいじると、ファインダー上ですでに明るさはわかりますから
あとはシャッタースピードでどうか、ということです。
イルミを撮るなら1/60程度が無難ですが
手ブレも防ぎたいので125を基本にしています。
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同じ画角のD300+50mmのRAWも見てみましょう。

後ろ側の光のボケがカクカクしているのがわかりますね。
絞りばねの違いが出ています。
でも、現像すると

さて、両者の差は明確に出るかどうか。
つまり、
こういうことなんです。
ニコン 50mmf1.4
は、比較的表現力のあるレンズだと思っていますが
基本的には標準画角の素直なレンズです。
他方
中一光学 85mm f2
はクセが少なく、どちらかといえばカリっとした画像を得意とする一方
絞りバネなどがよく作られていて、イルミなどのボケは綺麗です。
ただ、背景ボケを活かすには、随分被写体と背景をはなす必要がありそうです。
また、
50mm f1.4
と
85mm f2
の画角をほぼ同じにするため
50mmはaps-cのD300に付けています。
つまり、この感じだと差はそれほど大きくない。
新品価格ですと、
中一光学 85mmf2 は2万円少し。
激安です。
この安さ上に、敬遠される方もいるでしょう。
そういう意味では、
フードなどの各パーツは確かに安っぽいですが、
写りとしては、ひとつ上のランクのレンズと同様のシャープさを持って写るということは言えそうです。
ただし、
マニュアル=オールドレンズみたいな味
という誤解は捨てるべきです。
これは、今時のレンズの写りです。
そして、
言うまでもなく、マニュアルですので、素早い動きにはなかなかついていけません。
つまり、
85mmという画角のレンズを持っておらず
AFはちょっと高いな、と思っているけれども
ポートレートをとるのに、この画角は使ってみたい
というような層については、検討できるレンズでしょう。
すでに85mmを持っている方にとっては、
特に物珍しいとか、描写が凄まじいワケではない印象です。
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