写真に資格はいらない・・・が。という話
- しろふくろう
- 2017年12月25日
- 読了時間: 5分
「フォトマスター検定」という「検定」があります。
とった方は喜んでいらっしゃるし、
かたや
「こんな資格意味ない」
という方もいるでしょう。
今日は、そんな資格をどう考えているのか、の話。
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世の中には、いわゆる無意味な資格は沢山あるのは確かでしょう。
たとえばですが、
「国家資格」がトップにあるのに
まったくなんの有効性もない民間資格がいろいろ似たような名称ででていて
通信教育などを実施する会社などが勝手に認定したりしている資格
これはちょっと私も取らないです。
カウンセリングなどの資格でも
いまのところ臨床心理士があり
これから国家資格への動きで公認心理師というものができますが、
よくわからない通信教育にお金を出して「メンタルなんとか」とかいろんな名称がつくものがあります。
これは、資格というより
「資格商法」ですね。
利益のある人が資格を出す主体だけ、みたいなものです。
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また、
よく勘違いされていることが
「資格」=「プロ」
という考え方です。
これは明らかに違います。
というのも
「業務を専ら行うことができる」
という意味の
「業務独占の資格・免許」
は、
「うまい」ことや「優れている」ことを証明しているのではありません。
その業務を業として行うための基本を習得した、という基礎を担保する意味です。
ですから、
医師でも
弁護士でも
よくあるのは美容師なんかで「カリスマ」とか言われる方かいるように、
反対には「ヤブ医者」とか、
「資格」は最初の出だしであって
その先は「実力次第」というのは
どの世界でも同じかと思います。
ですからベースの資格に、
そのほかの資格を足していく、というのは不自然なことではありません。
そして、もうひとつ
「検定」
というものが出てきます。
「免許」は、その資格が無いと、その業務を行うことができないものです。
しかし
「検定」は、それがなくても、
その業務を行うことはできますが
どの程度の知識能力を持っているのかを「検定」してくれるものです。
FPみたいに、名称を独占する検定もあります。
つまり、
税務相談は税理士しかできませんが
FPはファイナンシャルプランナーと名乗って、一般的な税制度の説明をすることはできます。
しかし「ファイナンシャルプランナー」という名称は、検定合格者しか使用できません。
みなさんの中でも、漢字検定、英語検定(英検)を持っている方はいるでしょう。
あれにも「級」がありますね。
でも、検定がなくても、漢字は書いていいし、英語を使ってもいいものです。
じゃあ、それらも意味はないか。
ない場合と、ある場合がありますね。
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何かをしようとするときに
「おれ、〇〇得意なんだよ。任せてよ」
とか
「わたし、センスがあるから」
という主観的な判断だけでなく、
客観的に見てどのくらいの知識量なのか、ということをわかると、
自分が良いのではなく、「周囲が」良い場合が多いです。
写真について言えば、
カメラの機構やレンズの特性、フィルムの構造、レタッチの方法など
説明したり、意味がわからなくても、なんとなくやっている人は多々います。
それでいい人はいいんじゃないかと思います。
でも、
周りから見た時に
「この人はどのくらいのことを知っているんだろうか」
という指標があると、ひとつの安心材料にはなります。
もちろん
先ほどの漢字や英語のお話と同じで
漢字が書けるからといって「字が上手」とは限らない。
英語が読める、理解できるからといって、英語で楽しい会話ができるとは限らないでしょう。
私個人としては、
以前書いたように
「撮影は被写体さんと見る人に対する自身の提供」
なので、
提供できるものの質を上げること、客観的に認められるものであるようにすることは
意味があります。
ですから
コンテストや、こうした検定も可能な限り積極的にやります。
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意味、というのは、
各個人によって違います。
世の中には
「自分が生きる意味がない」
と思う人もいるくらいです。
ですから、その様々な価値観の中で
意味があると思うことをやればよい、というのが個人的な考えですが
よくある良くない大人のように
「おれは昔〇〇目指してたことがあるんだよ」(でも実際はなってない)
「わたしは本当は〇〇できるのよ」(でも実際やってない)
というようなことはしたくないし、
できないことについて「できる」というのは「偽り」なので、
公的な団体などが客観的に評価してくれるのであれば受験してみる、という考え方です。
落ちるのが怖い、というひとも多分いると思いますが、
問われているのは、重箱の隅だろうとなんだろうと、「知識」なので
「写真に知識はいらないよ」
という方が、ものすごい博識である場合を除けば、
「撮る」ということをする以上、知っておけば良いことに違いはありません。
特に
「写真の学校」を出ていない
誰かに教わったことがない
というような、私みたいな素人の場合、
かなり独善的な知識に走りがちになるのは間違いないことです。
写真はどのような歴史の中にあるのか
今使われているカメラはどのような技術で「写る」のか
カメラの仕様を見たときに、そのカメラの性能がしっかりわかるか
レタッチの効果や影響はどういうものなのか
レンズの中を光はどう通るのか
歴史的な作品はどんな意味があったのか
これは、作品そのものに間接的に影響します。
なぜなら、
写真は間違いなくカメラとレンズを使うからです。
そんなことを、7000円くらいで証明してくれる、
というのですから
そんなに試験料として高いわけではないなと思いますけどもねえ
※特に今回は、15回の記念の回でバッチもいただきました。
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